児童手当の「15日」で、月末の出生・引っ越しでも1か月分を逃さない方法 ― 請求が遅れる境目を日付で見る

児童手当は請求した月の翌月分からが原則ですが、出生・転入などの事由の日の翌日から15日以内に請求すれば、事由の日の属する月の翌月分から支給されます。内閣府の通知(府子本第888号)が定める数え方と、15日目が閉庁日のとき(12月29日なら1月4日)、月の長さごとに特例が効き始める日を、日付の例で整理します。

公開日 2026年10月10日

児童手当は、請求した月の翌月分から支給されるのが原則です。月の後半に子どもが生まれたり、引っ越したりすると、請求が翌月にずれ込み、1か月分を受け取れなくなることがあります。法律には、それを防ぐ「15日」の特例があります。この記事は、15日をいつから数え、いつまでに請求すれば、支給がどの月から始まるかを、日付で見ていきます。

条文(児童手当法8条2項・3項)と内閣府の通知(府子本第888号)の要点は、次のとおりです。原則は、認定の請求をした日の属する月の翌月分から支給です。ただし、出生・転入などの事由があった日の翌日から15日以内に請求すれば、その事由の日の属する月の翌月分から支給されます。15日目が土曜日・祝祭日・年末年始の休庁日なら、直近の翌開庁日が15日目です。

条文:原則と、15日の特例

児童手当法8条2項は、児童手当の支給は、認定の請求をした日の属する月の翌月から始める、と定めています。8条3項は、受給資格者が住所を変更した場合などに、住所を変更した後などの15日以内に請求をしたときは、住所を変更した日の属する月の翌月から始める、としています。内閣府の通知は、この3項を、住所の変更だけでなく、出生や公務員の退職などの場合にも、同じ考え方で運用するよう、事由ごとに整理しています。

どの日を「請求日」とみなして、15日を数えるか

通知は、15日以内に請求したときは、事由の日を請求日とみなして、その日の属する月の翌月分から支給する、としています。事由ごとの、数え始める日は次のとおりです(通知に挙がっているもののうち、よくある場合)。

事由請求日とみなす日(この翌日から15日以内)補足
他の市区町村からの転入転出届に書いた転出予定日転入先の市区町村に請求します。
子どもの出生出生日里帰り出産でも、請求先は住所のある市区町村です。
公務員を退職した退職日公務員の間は、勤め先から支給されます。
受給していた人の死亡死亡日
養子縁組養子縁組を行った日
海外での出生帰国日帰国した日の翌日から数えます。

転入のときの「転出した日」は、こども家庭庁のQ&Aが、転出届で届け出た「転出予定日」としています。実際に引っ越した日ではなく、届け出た予定日の翌日から数えると読めますが、予定日と実際の日がずれたときの扱いは、確認できた資料に書かれていません。

例:8月20日の出来事は、9月4日(金)までに請求する(作り話の例)

8月20日に子どもが生まれたとします。15日を数えると、翌日の8月21日が1日目で、15日目は2026年9月4日(金)です。この日までに請求すれば、事由の日(8月)の翌月、つまり9月分から支給されます。週明けの2026年9月7日(月)に請求すると、15日を過ぎるので、請求した月(9月)の翌月の10月分からになり、9月分は受け取れません。15日目が金曜日なので、土日をはさんで週明けに延ばすと、1か月分の差になります。

例:月末の3月31日は、4月15日(水)まで

転出予定日が3月31日なら、15日目は2026年4月15日(水)です。この日に請求すれば4月分から、翌日の2026年4月16日(木)では5月分からです。月末の事由では、請求がどうしても翌月になるので、15日以内かどうかが、そのまま1か月分の差になります。

特例が効くのは、月の後半に事由があった場合だけ

事由の日の15日後が同じ月に収まるなら、普通に請求しても、事由の月の翌月分から支給されます。特例が必要になるのは、15日目が翌月にかかる場合、つまり月の後半の事由です。月の長さごとに、特例が効き始める日は次のとおりです(15日後が翌月にかかる最初の日)。

  • 28日の月:その月の14日以降の事由は、15日目が翌月になります。
  • 29日の月:その月の15日以降の事由は、15日目が翌月になります。
  • 30日の月:その月の16日以降の事由は、15日目が翌月になります。
  • 31日の月:その月の17日以降の事由は、15日目が翌月になります。

これは、通知の日数の数え方(事由の翌日から15日)をそのまま当てはめた、この記事の計算です。通知に、この表そのものはありません。

15日目が閉庁日のとき:12月29日なら1月4日

通知は、15日目が土曜日・祝祭日(年末年始の休庁日を含む)にかかる場合は、直近の翌開庁日を15日目とし、15日目が12月29日の場合は1月4日を15日目とする、としています。たとえば事由の日が2026年12月14日(月)なら、15日目は2026年12月29日(火)ですが、2027年1月4日(月)に請求しても期限内で、2027年1月分から支給されます。

この記事で確認していないこと

  • 支給額、所得の制限、対象となる子どもの年齢などの制度の中身は、扱っていません。こども家庭庁の案内で確認してください。
  • 通知に挙がっている、遺棄・行方不明・災害・急病・DV避難などの事由や、所得の更正による場合は、起算の日が事由ごとに違うため、ここでは扱っていません。
  • 年末年始の休庁日は、通知が12月29日を例にしているだけで、日付の範囲を述べていません。ツールは12月29日〜1月3日で数えています。市区町村の窓口や公務員の勤め先では、取り扱いが違う場合があります。
  • 通知は令和3年のものです。その後の制度改正(支給期間や所得制限の見直しなど)のあとも、8条2項・3項の条文は、2026年10月10日にe-Govで読んだ現行の本文で同じ形です。ただし、通知が新しい版に差し替わっているかどうかは確認していません。

引っ越しの手続き全体の期限は引っ越しの手続き期限の計算で確かめられます。期間の数え方(翌日から数えるか)は、ガイド「初日算入と初日不算入の違い」で説明しています。

出典

この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、法律その他の専門的助言ではありません。法令や制度は改正されることがあり、個別の事情によって結論が変わる場合もあります。契約書や重要な手続については、条文や公的機関の案内を確認し、必要に応じて弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。