携帯・光回線の初期契約解除の期限の計算

スマホ・携帯電話、光回線、ケーブルテレビのインターネットなどの初期契約解除(電気通信事業法26条の3)の最後の日を計算。契約書面を受け取った日を1日目に数えて8日目まで、移動通信は提供開始日が遅いときはその日から。対象のサービス、法人契約、確認措置の見分け方も。

契約書面を受け取った日を入れると、最後の日が表示されます。書面をまだ受け取っていないあいだは、期間は始まっていません(書面が交付されていなければ、いつでも解除できます)。

固定通信(光回線など)は、工事の日や開通の日が書面の受領より遅くても、数え始めるのは書面を受け取った日です。

解除は、解除を行う旨の書面(はがきでも可)を発した時に効力が生じます(法26条の3第2項)。期間内に発したことを証明できるよう、特定記録郵便や簡易書留で出し、控えを残すのが安全です(総務省のガイドライン)。

期間の数え方(条文と総務省のガイドライン)

電気通信事業法26条の3第1項は、契約書面を受け取った日から起算して8日を経過するまでの間は、書面で契約を解除できると定めています(初期契約解除)。総務省のガイドラインは、これを「契約書面の受領日を1日目として8日目まで」と説明しています。特定商取引法のクーリング・オフと同じ数え方です。解除は、解除を行う旨の書面を発した時に効力が生じます(同条2項)。最後の日までに書面を出せば足り、事業者に届くのが後になっても構いません。

  • 固定通信(光回線、ケーブルテレビのインターネット、分離型のプロバイダ): 書面を受け取った日が1日目です。例: 2026年11月5日(木)に受け取ったなら、最後の日は2026年11月12日(木)です。工事の日や開通の日が書面の受領より後でも、数え始めるのは書面を受け取った日です。
  • 移動通信(スマホ、携帯電話、モバイルルーターなど): サービスの提供が始まった日が書面を受け取った日より遅いときは、提供開始日が1日目です(26条の3第1項のかっこ書き)。例: 2026年11月5日(木)に書面を受け取り、2026年11月10日(火)に提供が始まったなら、最後の日は2026年11月17日(火)です。
  • 書面は、電子メールやウェブページでの電子交付も含みます。受け取った日は、民法の「到達」と同じく、書面を利用者が見られる状態になった日です。受領日がはっきりしないときに期間が過ぎたと主張する場合は、事業者が証明する責任を負う、とガイドラインは書いています。
  • 契約書面が交付されていないときは、いつでも解除できます。交付されていても、解除できる旨の記載が抜けているなど内容に重大な不備があるときは、期間が続いていると通常判断される、とされています(ガイドライン第4章第3節(2))。
  • 「解除できない」と事業者が事実と違う説明をして、そのために期間内に解除しなかった場合は、事業者が改めて交付した書面(不実告知後書面)を受け取った日から、また8日間、解除できます(法26条の3第1項かっこ書き)。

土日・祝日の扱いは、ガイドラインにも条文にも定めがありません。最後の日が休日にあたるときも、期間が延びるとは書かれていないので、余裕をもって出してください。

対象になるサービスと、ならないサービス

総務省のガイドライン第1章は、対象を次のように整理しています。

  • 対象: 光回線(光ファイバーのインターネット)(FTTHインターネットサービス(指定告示第3項第1号・第3号))
  • 対象: ケーブルテレビのインターネット(CATVインターネットサービス(指定告示第3項第2号・第3号))
  • 対象: 光回線・ケーブル・ADSLと分けて契約するプロバイダ(分離型ISP)(FTTH・CATV向けの分離型ISP、DSL向けの分離型ISP(指定告示第3項第3号・第4号))
  • 対象: スマートフォン・携帯電話(音声通話つき。大手キャリア・格安SIMとも)(MNO・MVNOの携帯電話端末サービス(指定告示第2項第1号・第4号)。プリペイドは除く)
  • 対象: モバイルWi-Fiルーター・タブレットなどのデータ通信(大手キャリア)(MNOの無線インターネット専用サービス(指定告示第2項第2号)。プリペイドは除く)
  • 対象: モバイルWi-Fiルーター・タブレットなどのデータ通信(格安SIM。途中で解約すると月額基本料金を超える違約金が生じるもの)(MVNOの期間拘束のある無線インターネット専用サービス(指定告示第2項第3号))
  • 対象外: 上記以外(プリペイド、PHS、公衆無線LAN、期間のしばりがない格安SIMのデータ通信、ADSL、固定電話、IP電話など)(ガイドライン第1章(5)の対象外役務(指定告示第4項))

対象でも、法人その他の団体と営業目的で結ぶ契約(法人契約)、利用者が申し出た不利でない変更、料金などに関係しない軽微な変更や更新は、適用されません(施行規則22条の2の7、ガイドライン第4章第1節)。料金に不利な変更がある更新・変更の契約には、新規契約と同じように適用されます。

確認措置が適用される契約は、別の制度になります

移動通信のサービスのうち、事業者が確認措置を講じて総務大臣の認定を受けたものは、初期契約解除に代えて、確認措置が適用されます(施行規則22条の2の7第1項5号)。店頭で端末とセットで契約するスマホに多く、契約書面に書かれています。電波状況が十分でないと分かったときや、説明などの法令遵守が不十分だったときに、端末の売買契約も含めて解除できる仕組みです。

申出ができる期間は、利用開始日(契約書面の受領日のほうが遅ければ受領日)を含む8日以上で、具体的な期間は事業者が定めて契約書面に書きます(ガイドライン第4章第7節、施行規則)。このツールは、確認措置のチェックを入れたときは、8日の場合の最後の日(下限)だけを表示します。事業者が10日・14日などにしていることがあります。確認措置の場合に請求できるのは、解除までのサービス利用料などで、事務手数料・SIMカードの費用・番号ポータビリティの費用・工事費は請求できません(ガイドライン)。3つの制度(初期契約解除・確認措置・クーリング・オフ)の違いは、ガイドにまとめています。

解除したときに請求される金額(上限があります)

初期契約解除をしても、事業者は損害賠償や違約金を請求できません(26条の3第3項)。請求できるのは、施行規則22条の2の9が定める金額の範囲だけです。

  • 解除までに提供されたサービスの対価(定額の料金は、原則として日割り計算が合理的とされています)
  • 格安SIMのSIMカードの提供に要する費用(事業者がMNOに支払う額が上限)
  • サービスの提供に必要な工事のために通常請求される費用、契約の締結のために通常請求される費用(事務手数料)、番号ポータビリティのために通常請求される費用。この3つの上限額は、総務大臣の告示で定められています。

ガイドライン(令和5年12月最終改正)は、告示の上限額を、光回線の工事費が戸建て25,000円・集合住宅23,000円・人員を派遣しない工事2,000円(土日・休日は3,000円、夜間・深夜は10,200円を加算でき、人員を派遣しない場合は加算なし)、ケーブルテレビが18,000円・17,000円・2,000円、事務手数料が3,000円、番号ポータビリティの費用が1,000円(対面または電話で予約番号を出した場合のみ)と書いています(いずれも消費税を除く額で、消費税は別に請求できます)。ただし、この金額が現在の告示と同じかどうかは、告示の現行の本文を読めていないので、確認していません。平成30年10月更新の総務省の参考資料には番号ポータビリティの費用が3,000円とあり、その後に変わっています。実際の請求の上限は、契約書面に書かれた算定方法と、総務省の最新の資料で確認してください。上限は「請求してよい最大の額」で、通常の中途解約で請求している額のほうが低ければその額までです。

このツールが計算しないこと、確認できていないこと

  • 解除に伴う請求額は計算しません(上の告示の額を読めていないため)。事業者が工事前なら無料で受け付けていることも多く、解除の前に事業者に確認できます。
  • 端末の代金や分割払い、オプション、セット販売の他の契約の扱いは、契約書面で確認してください。ガイドラインは、オプションなどの付随契約には、初期契約解除の効果が直ちには及ばないとしています。
  • 訪問販売・電話勧誘販売で契約したときは、特定商取引法のクーリング・オフ(最終日の計算)が使えることがあります。保険や不動産は別の期間です。
  • 初期契約解除は、行政が間に入る制度ではなく、利用者と事業者のあいだの民事のルールです(ガイドライン)。トラブルになったときの相談先は、消費生活センター(188)などです。
  • 電気通信事業法は2026年5月27日施行の版、施行規則は2026年11月1日施行の版を、2026年11月5日にe-Govで確認しました。ガイドラインは令和5年12月の最終改正版で、その後の改正は確認していません。確認措置の認定を受けているサービスの一覧は、総務省の告示で、ここには載せていません。

出典

計算結果は一般的な目安であり、法律・税務その他の専門的助言ではありません。航空券や契約書、期限の管理など重要な場面では、公式の情報や専門家の説明でもご確認ください。