保険・不動産のクーリング・オフの期限の計算

生命保険・損害保険の申込みの撤回(保険業法309条)と、不動産会社から買う家・マンションのクーリング・オフ(宅地建物取引業法37条の2)の最後の日を計算します。保険は申込日と書面を受け取った日の遅いほうから8日(会社が延ばしていればその日数)。保険の「できない場合」12項目と、不動産の場所別の対象・対象外を確認できます。

法律でクーリング・オフができないとされている場合(当てはまるものにチェック)

申込みをした日を入れると、保険のクーリング・オフの最後の日が表示されます。

保険のクーリング・オフ(申込みの撤回等)のルール

  • 保険契約の申込者や契約者は、書面または電磁的記録で、申込みの撤回または解除ができます(保険業法309条1項)。ただし、撤回等に関する書面を交付された場合に、その交付された日と申込みをした日のいずれか遅い日から起算して8日を経過したときは、できません(1号)。
  • 書面が申込日より後に届けば、数え始めは書面を受け取った日です。生命保険文化センターは「そのいずれか遅い日を含めて8日以内」と説明しています。例として、2026年11月2日(月)に申し込み、2026年11月6日(金)に書面を受け取ったときは、2026年11月6日(金)を1日目として2026年11月13日(金)までです。会社が15日に延ばしていれば2026年11月20日(金)までです。書面が申込日より先にあれば、申込日が数え始めです(2026年11月10日(火)に申し込み、書面は2026年11月6日(金)なら2026年11月17日(火)まで)。
  • 書面を受け取っていないあいだは、8日の期間は始まりません。文言は、書面を交付されたときに「8日を経過したとき」を除く、という形だからです。
  • 撤回等の効力は、書面または電磁的記録を発した時に生じます(4項)。撤回等があったとき、保険会社は損害賠償や違約金を請求できません(5項)。受け取った金銭は返還されます(6項。解除では、解除までの期間の保険料として内閣府令で定める額を除く)。
  • できない場合は、1項2〜5号(営業・事業のため、法人など、保険期間1年以下、加入が義務付けられているもの)と、6号の政令(保険業法施行令45条1〜8号)です。営業所等への事前の日の通知をした訪問での申込み、自分で指定した場所での申込み、郵便・ファクシミリ等での申込み、振込みでの保険料払込み、医師の診査が終わったとき、財形貯蓄、債務を担保する保険、更改・更新・変更が挙がっています。このツールはチェックされたものを「できない」としますが、どれに当たるかの判断はご自身の事情によります。12項目の一覧と、見落としやすい振込・診査はガイド「保険のクーリング・オフができない場合は?」にあります。
  • すでに保険金の支払の事由が生じているときは、撤回等は効力を生じません(309条9項)。

不動産のクーリング・オフ(宅建業法37条の2)のルール

  • 宅建業者が自ら売主となる宅地・建物の売買で、事務所等以外の場所で買受けの申込みをした人、または契約を結んだ買主は、書面で申込みの撤回または契約の解除ができます。ただし、できる旨と方法を告げられた日から起算して8日を経過したとき、または宅地・建物の引渡しを受け、かつ代金の全部を支払ったときは、できません(37条の2第1項)。
  • 告げられた日が2026年11月1日(日)なら、その日を1日目として2026年11月8日(日)までです(日の数え方は条文にも国土交通省の資料にも例がなく、保険と同じ読みです)。告げられていないあいだは、8日の期間は始まりません。引渡しと全額支払の両方がそろった時点で、期間内でもできなくなります。
  • 効力は書面を発した時に生じ、宅建業者は損害賠償や違約金を請求できず、手付金などは速やかに返還されます(2項・3項)。クーリング・オフをしない旨の合意を取り付けても、適用がある場所なら適用されます(国土交通省)。

「事務所等」の範囲は、国土交通省の考え方で次のように整理されています(宅建業法施行規則16条の5と、令和8年4月1日施行版の解釈・運用の考え方)。非対面のときは、契約した際の顧客の所在場所で判断します。

申込み・契約をした場所クーリング・オフ根拠
不動産会社の事務所(専任の宅建士を置くべき場所)対象外規則16条の5第1号イ・解釈運用の考え方①
不動産会社の案内所(駅前案内所・申込受付場所。土地に定着する建物内のもの)対象外規則16条の5第1号ロ
マンションのモデルルーム・分譲住宅のモデルハウス対象外解釈運用の考え方: 案内所として差し支えない
売却を依頼された別の不動産会社の事務所・案内所対象外規則16条の5第1号ハ・ニ
自分から「自宅(または勤務先)で説明を受けたい」と申し出て、そこで申込み・契約をした対象外規則16条の5第2号
テント張り・仮設小屋などの一時的な場所(別荘地の販売など)対象になる解釈運用の考え方: 土地に定着する建物内の案内所ではない
喫茶店・ファミリーレストラン・ホテルなど対象になる解釈運用の考え方: 適用がある
不動産会社が(こちらの申出なしに)自宅や勤務先を訪ねてきて、申込み・契約をした対象になる解釈運用の考え方④: 適用がある
電話などで勧誘されて、了解して自宅等に来てもらい、申込み・契約をした対象になる解釈運用の考え方④: 適用がある
オンライン・電話などの非対面で、不動産会社の側から勧められ、自宅や勤務先にいる状態で申込み・契約をした対象になる解釈運用の考え方(令和8年4月1日施行版): 非対面の場合、契約した場所は契約した際の顧客の所在場所。申出がなければ適用がある

8日を経過したあとも、国土交通省の考え方は、民法の原則や消費者契約法に基づく申込みの撤回・契約の解除ができる余地は残る、としています。

このツールが計算しないこと、確認できていないこと

  • 日の数え方(1日目に数える)は、保険は生命保険文化センターの説明、不動産は条文の同じ文言から読んだもので、不動産の日付の例は見つけられませんでした。最後の日の前日までに書面を出すと確実です。
  • 保険の「できない場合」が自分の契約に当たるか(施行令45条1号の「申込みのための訪問」の明示、4号の振込みの依頼の有無、各号の細部)、会社が約款で決めた期間と起算日、書面がどれに当たるか、保険商品ごとの扱いは、判断しません。生命保険文化センターは、扱いは会社・商品・払込方法によって異なるとしています。
  • 不動産の「事務所等」の判断は、国土交通省の考え方の整理を選択肢にしたものです。ここにない場所や事情(団体の分譲、一時に多数の顧客が対象となる場合の取扱いなど)は判断しません。
  • 特定商取引法の取引(訪問販売、電話勧誘販売など)はクーリング・オフの最終日の計算、エステ・英会話などの中途解約は中途解約の上限額にあります。携帯電話・光回線などの初期契約解除(電気通信事業法26条の3、8日)、金融商品取引法の投資顧問契約(10日)、個別クレジット契約などは別の制度で、このツールは扱いません。
  • 法令は、2026年10月31日にe-Govで確認しました(保険業法 2026年8月12日施行、保険業法施行令 2026年6月1日施行、保険業法施行規則 2026年6月15日施行、宅地建物取引業法 2026年4月1日施行、同施行規則 2026年10月1日施行の版)。国土交通省の考え方は令和8年4月1日施行版、生命保険文化センターのページは2026年10月31日に読みました。個別の契約は、契約書・約款と、消費生活センター(188)、国土交通省・都道府県の宅建業の窓口、保険会社・弁護士の説明が優先します。

出典

計算結果は一般的な目安であり、法律・税務その他の専門的助言ではありません。航空券や契約書、期限の管理など重要な場面では、公式の情報や専門家の説明でもご確認ください。