派遣の「3年」はいつまで? 抵触日は3年後の応当日で、個人単位は延長できず、空白期間3か月の境目の日(早見表)

派遣の期間制限は、派遣先の事業所単位と派遣労働者個人単位の2つです。抵触日は、受入れ開始日の3年後の応当日(4月1日開始なら3年後の4月1日)。事業所単位は意見聴取で3年を限り延長できますが、個人単位は延長できません。前の派遣が終わってから次まで3箇月以下なら継続とみなされ、その境目の開始日を、月末終了などの早見表で整理します(厚生労働省の業務取扱要領 令和8年10月版)。

公開日 2026年10月21日

派遣の「3年ルール」は、「3年たったら辞めさせられる」という話ではなく、派遣先の事業所ごとの期間制限と、派遣労働者個人ごとの期間制限という、2つの別の制限です。どちらも、3年を超える最初の日(抵触日)から先は、受け入れられません。抵触日は、「3年後の3月31日」ではなく、4月1日に始めたなら、3年後の4月1日です。

結論
  • 事業所単位:派遣先の事業所で、同じ業務に有期雇用の派遣を受け入れられるのは、原則3年です。過半数労働組合等の意見を聴けば、3年を限り延長できます(これを繰り返せます)。
  • 個人単位:同じ人を、同じ組織単位(課など)で受け入れられるのは3年までで、延長はできません。事業所単位を延長しても、同じ人は3年で別の組織単位に移るか、派遣が終わります。
  • 空白期間:派遣が終わってから次の派遣までが3箇月以下なら、継続しているとみなされます。3箇月を超えて空くと通算されませんが、制度を避けるための空白は、法の趣旨に反するとされています(厚生労働省の要領)。

抵触日は「3年後の応当日」:月初・月末・うるう日の例

厚生労働省の要領と大阪労働局の記載例では、令和8年4月1日に受入れを始める場合の抵触日は令和11年4月1日です。下の表は、受入れ開始日から3年後の応当日(抵触日)と、延長するときの意見聴取期間の最後の日(抵触日の1か月前の日)を並べたものです。

受入れ開始日抵触日(受け入れられる最後の日の翌日)延長の意見聴取期間の最後の日
2026年4月1日2029年4月1日2029年3月1日
2026年10月21日2029年10月21日2029年9月21日
2027年1月31日2030年1月31日2029年12月31日
2028年2月29日2031年3月1日2031年2月1日

うるう日(2月29日)に始めた場合は、3年後に応当日がないので、3月1日が抵触日です(民法143条2項。このページの読みです)。意見聴取期間は、派遣法40条の2第3項が「最初の日の一月前の日までの間」と定めています。月末の抵触日の1か月前に、同じ日がない月は、月末としています(このページの読みです)。異議が出たときの説明は、抵触日の前日までです(同条5項)。

自分の日付は、派遣の3年ルール(抵触日)の計算で調べられます。延長後の抵触日や、2回目の意見聴取期間も出せます。

事業所単位を延長しても、個人単位は延長できない

要領は、派遣元が就業条件を明示するときに、個人単位と事業所単位の抵触日の両方を明示するとしています。個人単位の抵触日は延長されません。事業所単位が延長されても、同じ派遣労働者を同じ組織単位で3年を超えて受け入れてはならず、派遣先は、個人単位の期間制限を理由に、派遣元に派遣労働者の交代を求めることができます(要領)。派遣労働者の側から見ると、事業所単位の抵触日が先に来て延長されなければ、その時点が、その派遣先で働ける上限です。

空白期間は、どこまでなら「継続」か

3箇月は、前の派遣が終わった日の翌日(空白期間の初日)から暦の月で数えます(このページの読みです)。次の開始日が、下の表の日までなら継続とみなされ、その翌日以後は3箇月を超えます。

前の派遣の終了日継続とみなされる最後の開始日3箇月を超える最初の開始日
2026年3月31日2026年7月1日2026年7月2日
2026年4月30日2026年8月1日2026年8月2日
2026年5月31日2026年9月1日2026年9月2日
2026年6月15日2026年9月16日2026年9月17日
2026年8月31日2026年12月1日2026年12月2日
2026年11月30日2027年3月1日2027年3月2日
2026年12月31日2027年4月1日2027年4月2日
2027年1月31日2027年5月1日2027年5月2日
2027年2月28日2027年6月1日2027年6月2日

宮城労働局の資料は、クーリング期間が成立している場合を「派遣を受け入れていない期間が3か月+1日以上ある」と書いています。表の「3箇月を超える最初の開始日」は、空白期間が3か月+1日になる日で、この書き方と同じ境目です。継続していると判断されるときの期間は、継続と判断される最初の契約の始期から、最後の契約の終期までで見ます(要領)。

3箇月を超えたからといって、期間制限を免れられるとは限りません。要領は、派遣可能期間の延長の手続を避ける目的で、3箇月が経過したあとに再び受け入れて、実質的に受入れを継続するような行為は、法の趣旨に反する、としています(個人単位についても、同じ派遣労働者を3箇月が経過した後に再び受け入れることを、趣旨に反するとしています)。

同じ有期雇用でも、無期転換の申込権(通算5年を超える契約の期間)は、派遣の3年とは別の仕組みです。申込みの方法・期限は、ガイド「無期転換は会社に断れない?」にあります。

この記事で確認していないこと

  • 期間制限の対象外になる派遣(無期雇用、60歳以上など)、「事業所」「組織単位」の範囲の判断、派遣元の雇用安定措置、労働契約申込みみなし制度、改正法の施行日(平成27年9月30日)より前に始まった派遣の経過措置は、扱っていません。
  • 3箇月を暦の月で数える読みと、月末の抵触日の「1か月前の日」の読みには、法令・要領に日付の例がありません。境目の日にあたるときは、労働局(需給調整事業を担当する部署)に確認してください。
  • 条文は、e-Govの現行の本文を2026年10月21日に確認しました(派遣法の2027年施行の2つの未施行の版でも、40条の2などは同じ)。要領は令和8年10月版です。

出典

この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、法律その他の専門的助言ではありません。法令や制度は改正されることがあり、個別の事情によって結論が変わる場合もあります。契約書や重要な手続については、条文や公的機関の案内を確認し、必要に応じて弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。