派遣の3年ルール(抵触日)の計算

派遣の期間制限の抵触日を日付で計算します。派遣先の事業所単位(受入れ開始から3年、延長は3年を限り・意見聴取は抵触日の1か月前まで)、派遣労働者個人単位(同じ組織単位で3年、延長不可)、前の派遣が終わってから次まで3箇月を超えると通算されないかの判定も。厚生労働省の業務取扱要領(令和8年10月版)の日付の例を再現。

派遣先の事業所単位の期間制限(受け入れる側)
派遣労働者個人単位の期間制限(同じ人を、同じ課などで)
いったん終わって、また受け入れる(空白期間・クーリング)

派遣の期間制限は2つ(どちらか早いほうで止まる)

  • 事業所単位の期間制限: 派遣先は、事業所その他派遣就業の場所ごとの業務について、派遣元から派遣可能期間(3年)を超えて、継続して労働者派遣を受けてはなりません(派遣法40条の2)。その事業所で受け入れられる最後の日の翌日が、事業所単位の抵触日です。
  • 個人単位の期間制限: 同じ派遣労働者を、同じ組織単位(課など)で、3年を超えて受け入れてはなりません(35条の3・40条の3)。こちらは延長できません。
  • 期間制限の対象外: 無期雇用の派遣労働者、60歳以上の派遣労働者、有期プロジェクト業務、日数限定業務、産休・育休・介護休業の代替などは、期間制限がありません(40条の2第1項、要領)。このツールは、対象外かどうかの判定はしません。

抵触日の数え方(公的な日付の例)

抵触日は、受入れ(就業)を始めた日から3年を超える最初の日で、始めた日の3年後の応当日です。厚生労働省の大阪労働局の記載例は、令和8年4月1日に受入れを始める場合の抵触日を令和11年4月1日としています(令和8年10月版の記載例集の就業条件明示書の例でも、事業所単位・個人単位とも令和11年4月1日)。このツールの計算は、2026年4月1日(水)開始で2029年4月1日(日)です。東京労働局の資料にある、平成27年9月30日に始まった派遣が平成30年9月30日以降に抵触するおそれ、という日付とも一致します(2015年9月30日(水)開始で2018年9月30日(日))。

つまり、4月1日開始なら、期間の最後の日は3年後の3月31日で、抵触日は4月1日です。抵触日の前日までは受け入れられます。うるう日(2月29日)に始めた場合は、3年後に応当日がないので、3月1日が抵触日です(民法143条2項。このページの読みです)。

3年を超えて受け入れたいとき(事業所単位の延長)

派遣先は、過半数労働組合(ないときは過半数代表者)の意見を聴くことで、3年を限り、派遣可能期間を延長できます。意見を聴く期間(意見聴取期間)は、労働者派遣の役務の提供が開始された日(延長後は、延長前の派遣可能期間が経過した日)から、抵触日の1か月前の日までです(40条の2第3項)。さらに延長するときも、同じ手続です。

  • 例: 2026年4月1日(水)に受入れを始めた事業所の抵触日は2029年4月1日(日)です。延長するなら、意見聴取は2026年4月1日(水)から2029年3月1日(木)までに行い、3年延長すると、次の抵触日は2032年4月1日(木)です。さらに3年延長するときの意見聴取は2029年4月1日(日)から2032年3月1日(月)までで、抵触日は2035年4月1日(日)になります。
  • 過半数労働組合等が異議を述べたときは、延長前の派遣可能期間が経過することとなる日の前日(抵触日の前日)までに、延長の理由と異議への対応方針を説明します(40条の2第5項)。
  • 延長したときは、速やかに派遣元に、延長後の抵触日を通知します(同条7項)。新たな労働者派遣契約を結ぶときも、あらかじめ抵触日を通知します(26条4項)。
  • 厚生労働省の要領は、意見聴取を、受入れの開始に近い時点よりも、ある程度の期間が経過した後に行うことが望ましいとしています。受入れの前に意見聴取をすること、複数回分をまとめて1回の意見聴取で3年を超えて延長することは、できません(要領)。

空白期間が3箇月を超えると通算されない(クーリング)

厚生労働省の要領は、新たな労働者派遣と、その直前に受け入れていた労働者派遣との間の期間が3箇月を超えないときは、継続して受け入れているものとみなす、としています。継続している期間は、継続と判断される最初の契約の始期から最後の契約の終期までで見ます。個人単位でも、同じ派遣労働者の、同じ組織単位での就業の日と次の就業の日との間が3箇月以下なら、継続とみなします(派遣元が変わっても同じ派遣労働者として扱います)。

  • 3箇月は、暦の月で、空白期間の初日(前の派遣の終了日の翌日)から数えます(このページの読みです)。例: 前の派遣が2026年3月31日(火)に終わると、空白期間は4月1日からで、3か月ちょうどは6月30日までです。次の開始が2026年7月1日(水)までなら継続とみなされ、2026年7月2日(木)以後は3箇月を超えます。宮城労働局の資料の「3か月+1日以上」と同じ境目です。
  • 延長の手続を避ける目的で、3箇月を空けて、また同じ人・同じ業務で受け入れることは、法の趣旨に反するとされています(要領)。空白期間を作るだけで、期間制限を免れることはできません。

このツールが計算しないこと、確認できていないこと

  • 「事業所」の範囲(場所的な独立性、経営の単位としての独立性など)と、「組織単位」(課・グループなど)の範囲は、実態で判断されます(要領)。ここでは、判断せず、入力された日付から計算します。
  • 期間制限の対象外になる場合(無期雇用、60歳以上、有期プロジェクト、日数限定、産休・育休・介護休業の代替)かどうか、紹介予定派遣、派遣元の雇用安定措置(同じ組織単位に3年見込みの派遣労働者への措置)、労働契約申込みみなし制度は扱いません。
  • 改正法の施行日(平成27年9月30日)より前に始まった派遣の、経過措置の扱いは扱いません。入力する開始日は、施行日以後のものとしてください。
  • 3箇月の数え方(空白期間の初日から暦の月で数える)と、「1か月前の日」の数え方(月末の抵触日は、前の月の月末)は、法令と要領に日付の例がなく、このページの読みです。境目の日にあたるときは、労働局(需給調整事業を担当する部署)に確認してください。月ごとの早見表はガイド「派遣の『3年』はいつまで?」にあります。
  • 条文は、e-Govの現行の本文(派遣法は2026年10月1日施行の版)を2026年10月21日に確認しました。要領は令和8年10月版です。有期雇用の無期転換は無期転換ルールの計算、年次有給休暇は有給休暇の付与日数計算で調べられます。

出典

計算結果は一般的な目安であり、法律・税務その他の専門的助言ではありません。航空券や契約書、期限の管理など重要な場面では、公式の情報や専門家の説明でもご確認ください。