育休は1歳以降も延長できる? 保育所に入れないときの1歳6か月・2歳までの条件と手続き

育児休業は原則、子が1歳になる前日までですが、1歳の時点で保育所等に入れないなど、雇用の継続のために特に必要な場合は、1歳6か月まで、さらに2歳まで延長できます。育児・介護休業法5条と施行規則6条、厚生労働省の資料にそって、延長の3つの要件、「入れない」の意味、開始日の決め方、申出の期限、取り下げの注意点を整理します。

公開日 2026年10月4日

育児休業は、原則として、子が1歳に達する日(1歳の誕生日の前日)までです。ただし、1歳の時点で保育所等に入れないなど、雇用の継続のために特に必要な場合は、1歳6か月まで、さらに必要なら2歳まで延長できます。この記事では、延長できる要件、「保育所に入れない」とはどういう状態か、延長の開始日の決め方、いつまでに申し出るか、取り下げるときの注意点を、育児・介護休業法と施行規則、厚生労働省の「あらまし」(令和7年4月・10月施行対応)にそって整理します。1歳到達日などの日付の計算は、育児休業の期間の計算でできます。

延長できるのは、次の3つをすべて満たすとき

1歳6か月までの延長(5条3項)の要件は、次の3つです。

  • 子の1歳到達日に、本人または配偶者が育児休業をしていること。
  • 1歳到達日後の期間について休業することが、雇用の継続のために特に必要と認められる場合として、厚生労働省令(施行規則6条)に定める場合にあたること。
  • 1歳到達日後の期間に、この延長の申出による育児休業をしたことがないこと。

2歳までの延長(5条4項)も、同じ3つの要件を、1歳6か月到達日に置き換えたものです(施行規則6条の2は、6条の「1歳に達する日」を「1歳6か月に達する日」と読み替えて準用します)。2歳までの延長は、1歳6か月到達日の時点でさらに休業が必要な場合に限って申し出られます。

「保育所に入れない」とはどういう状態か

施行規則6条が定める場合のうち、よく使われるのは次の2つです。

  • 子について、保育所等における保育の利用を希望し、申込みを行っているが、1歳に達する日後の期間について、当面その実施が行われない場合(6条1号)。
  • 常態として子の養育を行っている、子の親である配偶者で、1歳に達する日後も常態として養育する予定だった人が、死亡した、負傷・疾病・障害で養育が難しくなった、婚姻の解消などで子と同居しなくなった、または6週間(多胎は14週間)以内に出産する予定か産後8週間を経過しないとき(6条2号)。

厚生労働省の「あらまし」は、前者の「保育所等」を、児童福祉法の保育所、認定こども園、家庭的保育事業等とし、認可外保育施設は含まないと説明しています。また、「当面その実施が行われない場合」とは、市町村に保育の申込みをしていて、市町村から、少なくとも子が1歳(1歳6か月)に達する日の翌日に保育が行われない旨の通知(例として、市町村が発行する保育所の入所不承諾の通知書)がされている場合をいう、としています。

「あらまし」は、育児休業を延ばすことを目的に、保育所等に入る意思がないのに入所を申し込み、入れなかったことを理由に延長を申し出ることは、制度の趣旨に合わず、延長の要件を満たさないことになる、と書いています。

いつから、いつまで取れるか(日付の例)

誕生日が10月10日の子の例で見ます(厚生労働省の図と同じ誕生日です)。2026年10月10日(土)に生まれた子の1歳到達日は2027年10月9日(土)です。

  • 1歳6か月までの延長:原則として、1歳到達日の翌日(1歳の誕生日。2027年10月10日(日))から、1歳6か月に達する日(2028年4月9日(日))まで。
  • 2歳までの延長:原則として、1歳6か月到達日の翌日(2028年4月10日(月))から、2歳に達する日(2028年10月9日(月))まで。
  • 原則の開始日は、1歳到達日の翌日(2歳までの延長なら1歳6か月到達日の翌日)です。ただし、配偶者が同じ延長の育児休業をしている場合は、本人の開始日を、配偶者の育児休業終了予定日の翌日以前の日にできます(1歳の誕生日も可)。両親が交替して取ることも、同時に取ることも、一部の期間を重ねて取ることもできると、「あらまし」は説明しています(改正前は、1歳到達日の翌日が開始日で、交替できるのは1歳のときだけでした。「あらまし」が、改正で柔軟化された点として説明しています)。たとえば配偶者の終了予定日が2027年11月3日(水)なら、交替して取る人は、2027年11月4日(木)より前の日から始められます。

パパ・ママ育休プラスを使った場合は、1歳6か月までの育児休業の開始予定日は、1歳に達する日後の本人または配偶者の育児休業終了予定日の翌日にしなければならない、と「あらまし」にあります。誕生日と実際の予定日を入れて確かめるときは、上のツールの日付を使ってください。

いつまでに申し出るか

希望どおりの日から休業するには、あらましは次の期限を示しています。

  • 1歳到達日以前に申し出る場合:開始予定日の2週間前まで。
  • 1歳到達日より後に申し出る場合:開始予定日の1か月前まで。
  • 2歳までの延長も、同じ考え方で、1歳6か月到達日以前の申出なら2週間前、後なら1か月前です。
  • パパ・ママ育休プラスを使う場合は、上の「1歳到達日」「1歳6か月到達日」を、プラスの育児休業の終了予定日に読み替えます(「あらまし」)。

これより遅れると、事業主は、一定の範囲で開始日を指定できます(6条3項。申出の日の翌日から起算して、2週間または1か月を経過する日までの間)。事業主は、休業の開始や申出の内容を確かめるため、施行規則7条にもとづき、申出の際に、保育所に入れないことなどを証明できる書類の提出を求められます(7条1項8号、7項)。市町村の入所不承諾の通知書を取っておいてください。

取り下げ・やり直しの注意

  • 延長の申出は、延長の育児休業を1回しか使えません(5条3項3号、4項3号)。条文の文言どおりなら、1歳6か月までの延長を途中で終えて復職し、また延長の申出で取り直すことは、原則としてできません。なお「あらまし」は、特別の事情がある場合は、1歳6か月・2歳までの育児休業でも再取得できると説明しています。
  • 開始予定日の前日までなら、申出を撤回できます(8条1項)。ただし、延長の申出を撤回すると、特別の事情がない限り、その子についてはもう延長を申し出られません(8条3項)。保育所の結果がまだわからない段階での申出と撤回は、慎重に考えてください。
  • 新たな産前産後休業、産後パパ育休、育児休業、介護休業が始まると、育児休業は終わります(9条2項3号)。きょうだいの出産などで休業が重なるときは、会社と日付を確かめてください。

給付金や社会保険料は、別の制度です

育児休業給付金(雇用保険)は、延長した期間についても、一定の要件を満たせば、支給される場合があると、「あらまし」にあります。ただし、支給の条件(保育所に入れないことの証明など)や手続きは雇用保険のもので、この記事は条文を読んでいません。ハローワークや会社で、必ず確認してください。

同じ育児・介護休業法の、小学3年生の修了まで取れる子の看護等休暇(令和7年4月1日から広がった部分)と、対象になる最後の日の数え方は、ガイド「子の看護等休暇は小学3年生の修了まで何日?」にあります。

育休が終わって職場に戻ったあとの、短時間勤務(3歳に満たない子)と、3歳以降の柔軟な働き方の措置は、ガイド「子が3歳になると、時短勤務はどうなる?」にあります。

この記事で確認できていないこと

  • 育児・介護休業法の5・6・8・9・9条の6・10条と施行規則6・6条の2・7条は、2026年10月4日にe-Gov法令検索で確認しました(現行は2026年10月1日施行で、未施行の改正はありません)。法7条(開始予定日の繰上げ・終了予定日の繰下げ)、施行規則8条(労使協定で対象から除ける人)の詳細は読んでいません。
  • 申出の期限(2週間・1か月)は、「あらまし」の説明と6条3項によります。事業主の個別の対応、書式、会社の就業規則は、会社によって違います。
  • 育児休業給付金、社会保険料の免除、保育所の入所選考のしくみ、自治体ごとの運用は扱っていません。

出典

この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、法律その他の専門的助言ではありません。法令や制度は改正されることがあり、個別の事情によって結論が変わる場合もあります。契約書や重要な手続については、条文や公的機関の案内を確認し、必要に応じて弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。