法定相続分・遺留分の計算

亡くなった方の家族関係を入れると、民法900条・901条の法定相続分と、1042条の遺留分を、分数と%で計算します。子が先に亡くなっているときの代襲相続、父母の一方だけが同じ兄弟姉妹(半血)、相続放棄、金額を入れたときの額にも対応。

配偶者
子(養子・胎児を含む)

孫も亡くなっていて、ひ孫が代わりに相続するとき(民法887条3項)は、このツールでは入力できません。そのときの分け方は、下の説明を見てください。

親・祖父母(子がいない・子が全員相続しないときに関係します)
兄弟姉妹(子も親も祖父母もいないときに関係します)

兄弟姉妹はいません(または入力していません)。

金額(わかるときだけ。空のままでも割合は出ます)

相続人は、配偶者と、配偶者と子(子が亡くなっているときはその子孫)です。

相続人法定相続分遺留分
配偶者1/250.0%1/425.0%
子11/425.0%1/812.5%
子21/425.0%1/812.5%

遺留分は全体で1/2(直系尊属だけが相続人のときは1/3、それ以外は1/2。兄弟姉妹にはありません)。円未満は四捨五入しているため、合計が合わないことがあります。

誰が相続人になり、いくらずつ分けるか(民法の定め)

配偶者は、いつも相続人になります(890条)。そのほかの人には順位があり、先の順位の人が1人でもいれば、後の順位の人は相続人になりません。第1順位は子(子が亡くなっているときはその子)、第2順位は直系尊属(親、祖父母)で、親等の近い人が先です。第3順位は兄弟姉妹です(887条・889条)。同じ順位の人が数人いるときは、等しく分けます(900条4号)。

相続人配偶者配偶者以外の全員で
配偶者と子1/21/2
配偶者と直系尊属2/31/3
配偶者と兄弟姉妹3/41/4

配偶者がいなければ、その順位の人たちで全部を分けます。たとえば、配偶者と子2人なら、配偶者は1/2、子は1人あたり1/4です。

子が先に亡くなっているとき(代襲相続)

子が、相続の開始以前に亡くなったとき、また、相続人の欠格や廃除で相続権を失ったときは、その子(被相続人の孫)が代わりに相続人になります(887条2項)。孫も同じ事情なら、その子(ひ孫)が代わります(同条3項)。代わりに相続する人の相続分は、亡くなった子が受けるはずだった分と同じで、孫が数人いればそれを等しく分けます(901条)。配偶者と、子1人、先に亡くなった子の子(孫)2人なら、配偶者は1/2、生きている子は1/4、孫は1人あたり1/8です。

兄弟姉妹が先に亡くなっているときは、その子(甥・姪)までが代わります。甥・姪も亡くなっていても、その子には引き継がれません(889条2項は、887条2項だけを準用しています)。

相続放棄をした人の子は、代わりに相続しません。代襲相続が起きる事情は、死亡・欠格・廃除で、放棄は含まれていないためです(887条2項)。放棄をした人は、初めから相続人にならなかったものとみなされます(939条)。そのため、子が全員放棄すると、子はいなかったものとして、直系尊属(いなければ兄弟姉妹)が相続人になります。たとえば、配偶者と、放棄した子、母なら、配偶者は2/3、母は1/3です。くわしくはガイド「子が相続放棄をすると、孫が代わりに相続する?」で説明しています。

ひ孫が代わるとき(孫も亡くなっているとき)は、このツールでは入力できません(入力は子の下の1世代、孫までです)。手計算では、亡くなった孫が受けるはずだった分を、そのひ孫たちで等しく分けます。

父母の一方だけが同じ兄弟姉妹(半血)

兄弟姉妹が相続人のとき、父母の一方だけが同じ兄弟姉妹(異母・異父の兄弟姉妹)の相続分は、父母の両方が同じ兄弟姉妹の2分の1です(900条4号ただし書)。この「半血」の扱いがあるのは、兄弟姉妹だけです。子や孫は、母が違っても、等しく分けます。配偶者と、全血の兄、異母弟なら、配偶者は3/4、残りの1/4を2対1で分けて、兄は1/6、異母弟は1/12です。

遺留分(兄弟姉妹以外の相続人の最低限の取り分)

遺留分は、遺留分を算定するための財産の価額に、割合をかけた額です。割合は、直系尊属だけが相続人のときは3分の1、それ以外のときは2分の1です。相続人が数人いるときは、その割合に、それぞれの法定相続分をかけます(1042条)。兄弟姉妹には遺留分がありません。そのため、配偶者と兄弟姉妹が相続人のときの配偶者は、1/2 × 3/4 = 3/8です。配偶者と子2人なら、配偶者の遺留分は1/4、子は1人あたり1/8です。

「遺留分を算定するための財産の価額」は、亡くなった時の財産に、贈与した財産を加えて、債務を引いた額です(1043条)。加える贈与は、相続開始前の1年間のもの(相続人への、婚姻・養子縁組や生計の資本のための贈与は10年間)です。当事者の双方が遺留分を持つ人に損害を加えることを知っていたときは、それより前のものも入ります(1044条)。法務省のパンフレットでは、この財産の価額を「相続時の積極財産+相続人への生前贈与(原則10年以内)+第三者への生前贈与(原則1年以内)−債務」としています。上の「遺留分を算定するための財産の価額」の欄には、その額を入れてください。

法務省のパンフレットの例では、配偶者がいない被相続人が、長男に土地建物(評価額1億1,123万円)、長女に預金1,234万5,678円を相続させる遺言をして亡くなりました。遺留分を算定するための財産の価額は、1億1,123万円+1,234万5,678円=123,575,678円で、長女の遺留分は、その1/2×1/2=1/4で30,893,920円(30,893,919.5円を四捨五入)です。パンフレットは、ここから預金1,234万5,678円を引いた18,548,242円を、長女が長男に請求できる遺留分侵害額としています(遺留分侵害額の請求)。このツールで、子2人を入れ、遺留分の欄に123,575,678円を入れると、同じ額になります。

遺留分が侵害されたとき(遺留分侵害額の請求権)は、相続の開始と、侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年、相続の開始の時から10年で、時効によって消えます(1048条)。いつまでかは相続の手続き期限の計算で調べられます。

このツールが計算しないこと、確認できていないこと

  • 遺言による相続分の指定(902条)、特別受益(903条)、寄与分(904条の2)、遺産分割協議の内容。実際の分け方は、これらや、相続人全員の話し合いで決まります。法定相続分は、その目安です。遺留分侵害額(1046条)の計算、遺留分の放棄(1049条)も、計算しません。
  • 亡くなった日が2019年7月1日より前の相続の遺留分(このとき遺留分の制度が変わりました。法務省のパンフレット)。このツールは現行の条文で計算します。亡くなった日が古い相続では、法定相続分についても、当時の条文が違うことがあります。
  • 欠格・廃除に当たるかどうか、特別養子、養子の縁組前に生まれた子(国税庁の質疑応答事例では、養子縁組の前に生まれた子は、その養子の代襲相続人にならない扱いです)、養子が孫でもあるときの二重の資格、同時に亡くなった場合、失踪宣告、相続人がいない場合の特別縁故者への分与。入力のとき、欠格・廃除は、「相続開始前に死亡・欠格・廃除」を選んでください。
  • 親が相続放棄したときに祖父母が相続人になるかどうか: 939条(放棄した人は初めから相続人でない)と889条1項1号(直系尊属は親等の近い者が先)から、このツールはなるものとして計算します。この点を述べた資料は、確認できていません。
  • 相続税。法定相続人の数や相続分は、税額の計算にも使われますが、養子の数の制限など、民法と違うところがあります。相続税の計算は、お金計算の「相続税の計算」を見てください。
  • 条文は、e-Govの現行の本文を2026年10月17日に確認しました。民法の未施行の改正の版と、ここで使う886・887・889・890・900・901・939・1042〜1049条を突き合わせると、どの版でも同じです(891条5号だけが、電磁的記録の遺言の不正を加えるために変わります)。相続人の入力が実際の戸籍とずれていると、結果もずれます。実際の相続人は、戸籍で確認してください。

出典

計算結果は一般的な目安であり、法律・税務その他の専門的助言ではありません。航空券や契約書、期限の管理など重要な場面では、公式の情報や専門家の説明でもご確認ください。