年間休日105日・120日は多い?少ない? 「最低105日」の根拠、暦で数えた休日の日数、求人票で確認すること

年間休日の最低日数を直接定めた条文は、読んだ範囲では見当たりません。105日は週40時間を1年で平均した総枠から出る目安で、年の総時間が効くのは1年単位の変形労働時間制など。完全週休2日と祝日・年末年始を暦で数えると2026年は125日、令和7年就労条件総合調査の1企業平均は112.4日。労働基準法・施行規則と厚生労働省の資料から整理します。

公開日 2026年10月5日

求人票の「年間休日」は、転職や就職で最初に見る数字の1つです。「105日が法律の最低ライン」「120日あれば多いほう」といった言い方をよく目にしますが、その根拠はどこにあるのでしょうか。労働基準法と施行規則、厚生労働省の就労条件総合調査から、順に確かめます。

読んだ範囲では、年間休日の最低日数を直接定めた条文は見当たりません。105日は、週40時間を1年で平均した総枠から計算で出る目安で、年の総時間が効くのは、1年単位の変形労働時間制のように期間を平均して数える場合です。120日台は、土日と祝日、年末年始を暦で数えると届く日数です。調査では、1企業平均は112.4日でした。

105日は、週40時間を1年で平均した総枠から出る

労働基準法32条は、労働時間を、休憩を除いて1週間について40時間、1日について8時間までと定めています。1年を平均して週40時間とすると、365日の総枠は40 × 365 ÷ 7 = 2,085.7時間です。1日8時間で働くなら、働ける日数は260日までで、365 − 260 = 105日が休日です。これが「105日」です。1日の所定労働時間が短ければ、必要な休日も減ります(7時間30分なら87日)。計算は年間休日の計算でできます。

1年単位の変形労働時間制(32条の4)は、対象期間を平均して週40時間を超えない範囲で、忙しい時期に長く、暇な時期に短く働く制度で、この総枠がそのまま上限になります。対象期間が3箇月を超えるときは、労働日数が1年当たり280日までという限度もあります(施行規則12条の4第3項)。つまり、休日は365 − 280 = 85日以上です。厚生労働省のリーフレットも、シフト作成のルールの1つに労働日数は年間280日までを挙げ、年間の所定労働時間は2,085時間(法定労働時間の総枠)以内で設定するよう求めています。

毎週同じ勤務なら、年の休日が105日に届かなくても違反とは限らない

32条の「1週間について40時間」は、週ごとの上限です。毎週同じ勤務で変形労働時間制を使わない会社は、どの週も40時間以内なら、32条の範囲に収まります。たとえば2026年は、月〜金が261日あるので、毎週月〜金に8時間働けば、休日は365 − 261 = 104日、年間の所定労働時間は2,088時間です。総枠の2,085.7時間を2.3時間超えますが、どの週も40時間です。

ここは、条文からの、このサイトの読み方です。厚生労働省の資料に「年間休日が105日未満でも違反ではない」という言い方は見つかっていません。契約や就業規則が適法かどうかは、個別の事情(変形労働時間制の協定の有無、時間外労働の扱いなど)で変わるので、労働基準監督署・労働局で確かめてください。

暦で数えると、完全週休2日+祝日+年末年始で2026年は125日

土曜・日曜を休み、国民の祝日(振替休日を含む)を休み、12月29日〜1月3日を休みとした会社を仮に考えて、暦から数えた日数です。祝日は内閣府のデータで、月〜金にあたる日だけを数えています(土日と重なる日は、すでに休みに入っています)。会社がこのとおりに休むとは限りません。休日は、就業規則や労働契約で会社ごとに決まります。

年土曜・日曜平日にあたる祝日平日にあたる年末年始(12/29〜1/3、祝日を除く)計
2024年104日14日4日122日
2025年104日15日5日124日
2026年104日17日4日125日
2027年104日16日3日123日

同じ休み方でも、暦の巡りで年によって数日ずれます。祝日の一部だけを休日にする、年末年始を短くする、といった会社なら、この表より少なくなりますし、夏季休暇などを足せば多くなります。「年間休日120日」のように書かれた数字は、こうした休日の定め方の結果で、同じ数字でも中身は会社ごとに違います。

調査では、1企業平均は112.4日

厚生労働省の「令和7年就労条件総合調査」(常用労働者30人以上の民営企業、令和6年1年間の年間休日総数)では、1企業平均が112.4日、労働者1人平均が116.6日でした。企業規模別の1企業平均は、1,000人以上 117.7日、300〜999人 116.2日、100〜299人 114.5日、30〜99人 111.2日です。調査の「年間休日総数」は、会社が休日と定めた週休日と、国民の祝日・年末年始・夏季休暇・会社記念日などの休日の合計で、年次有給休暇の分は含みません。企業割合は、「企業において最も多くの労働者に適用される年間休日総数」の階級別です。

年間休日総数企業割合
69日以下1.1%
70〜79日1.8%
80〜89日3.0%
90〜99日5.2%
100〜109日27.9%
110〜119日21.4%
120〜129日37.3%
130日以上2.0%

表の割合を足すと、100日未満の企業は11.1%、120日以上は39.3%です(合計は99.7%で、残りは年間休日総数が不明の企業。足し算はこのサイトでしたものです)。週休制の形態では、「完全週休2日制」の企業が65.5%(適用される労働者は73.3%)で、「何らかの週休2日制」は92.6%です。「何らかの週休2日制」には、完全週休2日制のほかに、月3回、隔週、月2回、月1回の週休2日制などが含まれます。求人票の「週休2日制」が、毎週2日休めるという意味とは限りません。

求人票・労働条件通知書で確認すること

労働基準法15条は、使用者に、労働契約の締結のとき、賃金や労働時間などの労働条件を明示することを求めています。施行規則5条は、明示する事項に「始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇」を挙げ、休日を含むこれらの事項は、書面の交付で明示することを定めています(労働者が希望した場合は、ファクシミリや電子メールでもよいとされています)。また、常時10人以上の労働者を使う使用者が作る就業規則には、休日と休暇を書くことになっています(89条)。

  • 年間休日の内訳は何か。週休日だけか、祝日、年末年始、夏季休暇を含むか。調査は年次有給休暇を含めずに数えています。求人票の数え方が調査と同じかは、書いてあるものを確かめます。
  • 「週休2日制」は、毎週2日か(完全週休2日制)、月に何回かか。
  • 変形労働時間制か。1年単位なら、年間カレンダーで、忙しい時期の1日の時間や週の時間、休日の日が決まっています。年間休日の数字だけでは、1日の所定労働時間は分かりません。
  • 1日の所定労働時間と休憩。同じ年間休日でも、1日が7時間30分の会社と8時間の会社では、年間の労働時間が違います。月給を時給に直すとき(最低賃金との比較など)は、年間休日が多いほど1箇月平均所定労働時間が短くなり、時間額が高くなります。

労働基準法15条2項は、明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除できると定めています。年間休日の数字の中身は、書面で受け取る労働条件の休日の欄や、就業規則で確かめられます。

求人票の月給にみなし残業(固定残業代)が含まれているときに確認する内容は、ガイド「月給にみなし残業が含まれていたら、基本給はいくら?」にあります。

この記事で確認できていないこと

  • 年間休日を直接定めた条文がないという点は、労働基準法の32条・32条の2・32条の4・35条・15条・89条と施行規則の5条・12条の4・25条の2を読んだ範囲での話で、他の法令や通達までは確認していません。
  • 「毎週同じ勤務なら週ごとに判断される」という点は、条文からのこのサイトの読み方です。
  • 求人情報の表示に関する法令・指針(職業安定法など)は読んでいません。求人票の「年間休日」の書き方に決まりがあるかどうかは、ここでは述べていません。
  • 調査は、常用労働者30人以上の民営企業が対象です。30人未満の会社や、公務員の休日は含まれません。令和8年の調査が公表されたら、数字を更新します。
  • 暦から数えた表は、祝日データ(内閣府、2027年まで)と、12月29日〜1月3日を年末年始とした仮定にもとづく例で、実際の会社の休日ではありません。

1日の勤務の実働と割増賃金は勤務時間計算、月や清算期間の総枠は法定労働時間の総枠の計算、年次有給休暇の日数は有給休暇の付与日数計算で確かめられます。

出典

この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、法律その他の専門的助言ではありません。法令や制度は改正されることがあり、個別の事情によって結論が変わる場合もあります。契約書や重要な手続については、条文や公的機関の案内を確認し、必要に応じて弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。