退職日までに有給を使い切るには? 退職日から最終出勤日を逆算し、申出から退職までに取れる年休の日数を数える

退職が決まっている人も、在籍中は年次有給休暇を取る権利があり、使用者が時季を変更できるのは退職期日までです(労働局の説明)。退職日から、休日を除いて年休の日数をさかのぼると最終出勤日。退職日の2週間前・1か月前・2か月前に申し出たとき、年休の上限と引継ぎに使える勤務日が何日かを、2026年の暦で計算します。

公開日 2026年10月6日

退職が決まったとき、残っている有給休暇を使い切るには、いつまで出勤すればよいのでしょうか。退職日から数えて、最終出勤日を逆算する方法と、退職の申出から退職日までに何日の年休が取れるかを、労働局の資料にそって確かめます。

退職が決まっている人も、在籍中は年次有給休暇を取る権利があります。沖縄労働局は、使用者が時季変更権を使えるのは退職期日までで、退職期日以降に時季を変更することはできないので、請求どおり与えなければならない、と説明しています。最終出勤日は、退職日から、休日を除いて年休の日数をさかのぼった日です。

労働局の説明:退職前の年休の請求は拒めない

  • 年休は、労働者が取る日を指定すると、使用者はその日に与えなければなりません。事業の正常な運営を妨げる場合は、使用者は日を変更できます(時季変更権。厚生労働省のリーフレット)。
  • 退職予定者の場合、日を変更できる先が退職日までしかなく、退職日以降に変更することはできないので、請求どおり与えなければならない、と沖縄労働局は説明しています。宮崎労働局も、退職間際の年休の申請を拒むことはできない、としています。
  • 引継ぎが必要なときは、退職日を遅らせてもらうなど、退職する労働者と話し合ったほうがよい、というのが宮崎労働局の説明です。
  • 使い切れなかった年休を、お金で買い上げることは、原則としてできません(宮崎労働局)。

退職日から最終出勤日を逆算する

年休は、会社の休日ではない日(労働日)に取ります。退職日を含めて、最終出勤日の翌日から退職日までの労働日が、年休の日数と同じになる日が、最終出勤日です。退職日が休日(土曜など)のときは、退職日自体は年休を取る日にならないので、その分、1日多くさかのぼります。次の表は、土曜・日曜と国民の祝日を休みとする会社の例です(2026年の祝日は内閣府のデータ)。

退職日年休5日の最終出勤日年休10日の最終出勤日年休20日の最終出勤日
2026年10月31日(土)2026年10月23日(金)2026年10月16日(金)2026年10月1日(木)
2026年11月30日(月)2026年11月20日(金)2026年11月13日(金)2026年10月29日(木)
2026年12月31日(木)2026年12月24日(木)2026年12月17日(木)2026年12月3日(木)

たとえば退職日が2026年11月30日(月)で、年休が10日残っているなら、11月16日から30日までの労働日10日(11月23日は祝日)を年休にして、最終出勤日は11月13日(金)です。退職日が10月31日(土)のときは、10月26日〜30日の5日を年休にして、最終出勤日は10月23日(金)です。会社の休日が土日祝と違うときや、年末年始の休みがあるときは、日付が変わります。

申出から退職日までに、年休は何日取れるか

次の表では、年休は退職の申出の翌日以降に取るものとして数えます。そのため、申出の翌日から退職日までの労働日が、年休の上限です。民法627条では、期間の定めのない雇用は申入れから2週間で終わり、その2週間後の日を退職日にすると、2026年12月31日の退職なら、申出は12月17日(このサイトの「退職を申し出てから何日で辞められる?」と同じ数え方)です。

申出の時期(退職日 12月31日)申出の翌日から退職日までの労働日(年休の上限)年休10日のとき、申出の翌日から最終出勤日までの労働日
退職日の2週間前(2026年12月17日(木))10日0日
退職日の1か月前(2026年11月30日(月))23日13日
退職日の2か月前(2026年10月31日(土))42日32日

退職日の2週間前に申し出ると、年休の上限は10日で、10日全部を取ると、最終出勤日は申出の日そのもの(12月17日)になり、引継ぎに使える勤務日は残りません。1か月前なら、同じ10日を取っても、申出の翌日から最終出勤日まで13日の勤務日があります。年休が20日残っているときは、2週間前の申出では、上限の10日までしか使い切れません。

退職の申入れから2週間で辞められる、という民法627条の数え方と、就業規則の「1か月前」との関係は、ガイド「退職を申し出てから何日で辞められる?」にあります。

この記事で確認できていないこと

  • 労働局のQ&Aは、請求された年休を拒めない、という一般的な説明です。個別の会社で、就業規則や引継ぎの事情があるときにどうなるかは、判断していません。
  • 最終出勤日の表は、土日と国民の祝日を休みとする会社の例で、実際の勤務カレンダー(シフト、会社の休業日、年末年始)とは違います。祝日のデータは2027年まで。
  • 年休の日数が何日残っているかは、有給休暇の付与日数計算と、勤め先の年休管理で確かめてください。年休には2年の時効があります(有給休暇は2年で消える?)。
  • 退職日の決め方(2週間、就業規則の1か月前など)は、退職を申し出てから何日で辞められる?にまとめています。退職後の社会保険、給付、最後の給料の支払いは、この記事では扱っていません。

出典

この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、法律その他の専門的助言ではありません。法令や制度は改正されることがあり、個別の事情によって結論が変わる場合もあります。契約書や重要な手続については、条文や公的機関の案内を確認し、必要に応じて弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。