契約社員やパートの契約を「更新しない」と言われたとき、会社には、いつまでに知らせる決まりがあるのでしょうか。厚生労働省の基準は、有期労働契約を更新しない(雇止めをする)場合には、少なくとも契約期間が満了する日の30日前までに予告しなければならない、としています。ただし、予告が必要なのは、一定の契約だけです。
- 予告が必要な契約は、①3回以上更新された契約、②1年以下の契約が更新され、最初の契約から通算1年を超える場合、③1年を超える契約期間の契約、のどれかです。
- ただし、あらかじめその契約を更新しない旨が明示されているときは、予告の対象から除かれます。
- 満了日が月末のとき、30日前の日は、31日の月なら同じ月の1日、30日の月なら前の月の末日です(下の表)。
どんな契約が、予告の対象になるか
1年の契約を初めて結んで、そのまま満了するだけなら、この基準の予告の対象になりません。契約が長い、更新が多い、通算が長い、のどれかに当たると、対象になります。次は、満了日が2027年の3月末などの例です(判定は、厚生労働省のリーフレットの3つの場合にあてはめたものです)。
| 契約のパターン | 予告の対象 | 理由 |
|---|---|---|
| 1年の契約を初めて結んだ(更新0回) | 対象外 | 契約期間は1年ちょうどで、1年を超えず、更新もされていない |
| 1年と1か月の契約を初めて結んだ | 対象 | ③ 1年を超える契約期間 |
| 6か月の契約を1回更新(通算1年) | 対象外 | 通算がちょうど1年で、1年を超えない |
| 6か月の契約を2回更新(通算1年6か月) | 対象 | ② 更新され、最初の契約から通算1年を超える |
| 3か月の契約を3回更新(通算1年) | 対象 | ① 3回以上更新されている |
| 上の「3回更新」でも、更新しない旨が明示されている | 対象外 | あらかじめ更新しない旨が明示されている |
「通算1年を超える」は、始めた日から1年が満了する日より後まで続くことです(このページの読みです)。たとえば2026年4月1日に始めた契約なら、2027年3月31日が通算ちょうど1年で、2027年4月1日以後に満了すると、1年を超えます。自分の契約は、雇止めの予告の期限の計算で調べられます。
満了日の30日前は、いつか(月末満了の早見表)
30日前は、満了日から30日さかのぼった日です。予告の日の翌日から満了日まで30日以上、という数え方です(解雇予告の30日と同じ数え方にそろえたこのページの読みです)。
| 満了日(2027年) | 予告の最後の日 |
|---|---|
| 2027年1月31日 | 2027年1月1日 |
| 2027年2月28日 | 2027年1月29日 |
| 2027年3月31日 | 2027年3月1日 |
| 2027年4月30日 | 2027年3月31日 |
| 2027年5月31日 | 2027年5月1日 |
| 2027年6月30日 | 2027年5月31日 |
| 2027年7月31日 | 2027年7月1日 |
| 2027年8月31日 | 2027年8月1日 |
| 2027年9月30日 | 2027年8月31日 |
| 2027年10月31日 | 2027年10月1日 |
| 2027年11月30日 | 2027年10月31日 |
| 2027年12月31日 | 2027年12月1日 |
予告のあとと、ほかのルールとの違い
- 予告のあとに、労働者が雇止めの理由の証明書を請求したら、会社は遅滞なく交付します。雇止めのあとに請求されても同じです。理由は、「契約期間の満了」とは別の理由にします(リーフレットの例: 前回の更新時に更新しないことが合意されていた、更新回数の上限に係る、業務の終了・中止、事業縮小、能力が十分でない、勤務不良など)。
- 令和6年(2024年)4月1日から、契約後に更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)を新たに設けたり短縮したりするときは、その理由をあらかじめ説明する必要があります。
- 解雇の予告(労働基準法20条)は、30日前までに予告しないと、不足の日数分の平均賃金を支払う仕組みがあります。雇止めの予告は、厚生労働大臣の基準で、リーフレットは、労働基準監督署が使用者に助言・指導をするとしています。解雇予告はガイド「解雇予告は何日前?」、無期転換はガイド「無期転換は会社に断れない?」にあります。
この記事で確認していないこと
- 基準の本文(平成15年厚生労働省告示第357号)は、e-Govにないため、読んでいません。このページは、厚生労働省のリーフレットの記載にあてはめたものです。リーフレットに、30日・1年の数え方の日付の例はありません。
- 予告をしたかどうか、雇止めが有効かどうか(労働契約法19条)、更新への期待が生じているかどうかは、判断しません。